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ガルシアの隠れ家
by grass-b
雨の降る日は
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ゴールデンウィークも終わって体はくたくたなのに気持ちはパキッと元気になりました。

震災の後、言葉で喪失の悲しみをやわらげることができるのか・・。
すべてを失った人に未来があると言えるのか・・。
と、空しいと思うこともあったけど、今は言葉には再生させる力があると感じています。

それにしてもこの歌の大らかなこと。


「死は一度 梅には梅の花が咲き 雨の降る日は天気が悪い」
            ( 小島ゆかり 「折からの雨」)  


当たり前ということのありがたさ。

           by 店主 ♀


# by grass-b | 2011-04-29 10:51
春のひかり
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このところの緊張感はなんといったらよいのでしょう。
まるで持ち時間のカウントダウンを突きつけられながら暮らしているような感じがします。
一見平穏に見える日常があの惨劇の場と地続きであるという現実。
積み重なっていく毎日の今日の大切さ。

最近感じたこと。
根本きこさんの決断。
生産者になることを決めた彼女のいさぎよさと切迫感。
そしてこれからの人生への果敢な試みには勇気をもらいました。

今朝ラジオから流れてきた歌人の穂村弘さんの言葉にも。
「この震災で沢山の恋がうまれたんでしょうね、今告白しないと間に合わないかもしれないと」
ほっと、かすかな日差しのようなものに包まれた一日の始まり。

   by 店主 ♀








# by grass-b | 2011-04-13 17:12 | others
ろば
鏡に顔を写したろばはたった一頭で荒野に立っているような漂泊のイメージがある。
剥き出しの孤独とそれでも踏み出そうとする強さも。
鏡の向こうにあるのは崩壊と構築、あるいは死と再生の世界かもしれない。


    
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ろば_f0199697_162113100.jpg
この二頭のろばは喜多村紀氏の作品。
大きいほうの「ろば」は海猫堂の「漂流物のアート展」で一目惚れをして、
もう一頭の「ちびろば」はいつだったかお宅に伺った時お願いして譲って頂いた。
大きいろばに添わせると幼さが感じられて愛らしい。
このろば達をrikaちゃんに撮ってもらおうと、閃いた場所はごみ処理場のガラス置き場。
たまたま沢山のガラスが持ち込まれたあとで幸運でした。

    by 店主♀


喜多村紀展「うさぎうま」2月26日(土)〜3月21日(月・祝)シーレにて。
シーレ
# by grass-b | 2011-02-18 10:00
スジョングァ
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毎年12月になるとおいしい枯露柿が届きます。
この干し柿と、しょうが、桂皮で作るお茶がスジョングァ。
うちは冷やさずにできたての暖かいのを頂きます。
干し柿のはかない甘さとしょうがのすがすがしさ、
桂皮の刺激的な香りのお茶。
飲むと身内に元気が灯る、という感じ。
外の冷たい風のなか暖かいストーブの薪の匂いや
熱いお茶のことを思いながら戻る幸せ。

     by 店主♀

# by grass-b | 2011-01-17 09:10
お見舞いに
ある晴れた日バンドネオン奏者のかおりちゃんと夫の3人で日帰りの旅。
東京駅で待ち合わせて長野新幹線に乗り込む。
この日、長野に向かったのにはわけがある。
時には親代わりにもなって頂いた、そして折にふれなにかとお世話になっている
伊藤御夫妻の奥様恵美子さんが入院なさっているのだ。
可愛らしさと型破りで大胆なところが一体となっていて枠なんて
最初からなかったんだと思わせてくれる人。
そこで状況が許せばかおりちゃんのバンドネオンでお見舞いをと企んでいた。
おしゃべりをしているうちに軽井沢を過ぎ、落葉した唐松林越しに雪を頂いた
浅間山を眺めている間もなく到着。
日陰には雪が残り「冷たい水で顔を洗ったような気持ちよさ!」とかおりちゃん。
駅には御主人の伊藤さんが出迎えてくれていた。
病院に向かう道の先にはなだらかな蓼科の山々、その向こうにさっきと姿を変えた
浅間山も見える。

7、8人も入ればいっぱいの面会室でバンドネオンの演奏をすることになった。
恵美子さんの驚きながらも喜んでくれた笑顔に嬉しくなる。
皆にはなじみのない楽器なのでかおりちゃんの説明を聞く。
間近で聴く演奏は「聴く」というより「音に触れる」という感じ。
蛇腹の開け閉めによって生まれる音の息遣いまで伝わってくるよう。
指の動きも指だけに集中していない、全身に散らばっている。
単調な入院生活から広々としたところに聴く人の心をひっぱり出してくれる音楽の力。
ドアの隙間から遠慮がちの顔が覗く。
「どうぞ、どうぞ」と招き入れ楽しさを分かち合える心地よさ。
言葉などなくても一気に他の人と交わえるのも音楽の力なのだ。

帰りの車の中で「この先まで行くと手を振ってる恵美子が見えるよ」と伊藤さん。
見ると遠く4階の窓のところに両手を頭の上で大きく交差させるように振っている小さな姿があった。
いつもああやって見送ってるのかと思うと胸がいっぱいになる。
途中立ち寄った蕎麦屋に恵美子さんからメールが届く。
「皆様もうお蕎麦屋さんに着かれたかしら。私はまだ胸の昂りがおさまりません」

     by 店主 ♀


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# by grass-b | 2011-01-09 05:22
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