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作品と釘と
Oさんが友人と来店。
四角い包みを渡される。
開けると去年ギャラリーで印象に残っていた作品。
風雨にさらされ風格を漂わせた四角い板。
そこに凛とした白い十字架が描かれ、なにかとめてある。
それは砂と波に洗われたシュモク貝。
苦悩によじれたかに見える形はキリスト像そのもので怖いぐらい。
物に宿る記憶が存在感となってせまってくる。

昔ベルギーの学生達とメルク修道院の改修工事に参加した。
修道院が世界遺産に登録されるずっと以前のこと。
その現場で拾い集めた古い釘は300年ほど前のもの。
Oさんはそれを白い紙の上にどんどん並べてゆく。
それぞれ形の異なった釘がリズムを持って詩のようだ。
「これはOさんが持っていたほうがいいでしょう」と差し上げる。

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by grass-b | 2016-03-07 16:25
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