ガルシアの隠れ家 by grass-b |
白いレースのハンカチを頂いた。
手を拭くのにはもったいなくて大切にしている器の間にそっと挟む。 レースは編んだ糸を見ているのではなく小さな隙間を模様として見ているのだとなにかで読んだ記憶がある。 そこにないものを見ている。 ないものを見て美しいと感じているのだと。 Aさんは80代のおしゃれなご婦人。 何年も前のこと、襟元にアンティークの小さなレースを銀のピンでとめていらした。 以来レースの店があるとつい覗いてしまう。 でも気づいたのはピンが肝心ということ。 あのしぶい輝きのピンでとめてこそだったような気がするのだ。 by 店主 ♀ #
by grass-b
| 2015-05-31 12:39
夕方からテラスでかおりちゃんのバンドネオンのライブ。
早めにいらした御夫婦の奥様が駐車場で花を摘んでいた。 「ドレスアップしてこなかったので」とお茶目な笑顔。 白いブラウスの胸元に飾られた野の花の小さなブーケ。 演奏が始まってはっとした。 前回より1歩も2歩も踊りでた感じがしたこと。 自分そのものに降りていくことで、音楽の場に立つ方法を知ったのか。 彼女のオリジナルはユーモアと、叙情とそこはかとない幻想味が魅力。 イメージが飛翔する。 終わったあと、心の中に不思議な風が吹き渡ったような感に打たれた。 店主 by ♀ #
by grass-b
| 2015-05-20 16:21
K氏来店。
店を閉めたと人づてに聞いて驚いたばかり。 個性のある店がまたひとつなくなって街に深みがなっくなってゆく。 それにしても相変わらずの存在感。 彼の中に抱えているものが独特の雰囲気を醸し出しているようだ。 それを必要としている人は世界にたったひとりかもしれないようなものを売る店。 そんな店が似合うひと。 by 店主 ♀ #
by grass-b
| 2015-05-02 15:01
東日本大震災は今だに続いている。
今の連続が人生、生きてる途中で終わりがくる。 現実を受け入れ、そこから始めるしかない。 しっかりしてよ、復興庁。 御中虫による句集「関揺れる」から。 俳友関悦史に向けて書かれた震災句。 「春麗洗濯ものと関揺れる」 「関揺れる人の形を崩さずに」 「揺れるなら止めてみせよう関悦史」 ※ 震災句ではないけれど 「月といふのですか、巨きな石ですね」 御中虫 店主 by♀ #
by grass-b
| 2015-03-12 05:29
落田謙一さんの展覧会にrikaちゃんと軽井沢へ。
晩秋の軽井沢は浅間山の稜線が薄紫色から紫色に変わって風景のピントが合っている。 現代美術館まで木々の葉を散らすような風と一緒に歩く。 印象に残ったのは海と空が溶け合い、光と色がはじけてるような作品。 描かれるはずのものが、間引かれているような感覚。 自在な浮遊感。 眺めていると視覚的ではないなにかが浮かびあがってくる。 感情の濁りがとれて、透き通った体の中を秋の光が満たしていくようだ。 万平ホテルのカフェテラス。 メニューには「昔ながらのプリン」「伝統のババロア」「ジョンレノンのミルクティー」など。 記憶の中で静かに発光しているもの。 帰り道、日没寸前の空がスミレ色に映える時間。 歩道橋の上で物の形が薄れていく直前の光を彼女が撮る。 あっという間の秋の夕暮れ。 by ♀ #
by grass-b
| 2014-12-05 20:05
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